私の3.11まんまるリレー きえ


【私の3.11まんまるリレー~稲垣 季衣~】
まんまる運営スタッフによるリレー連載。
今日の担当は稲垣季衣です。
※以下、長文です。
被災の程度、内容を比べるものではありません。
現在の、まんまる運営スタッフとしての気持ちを読んで頂けたらと思います。
震災の日、当時栃木県北部に住んでいた私は、生後3週間の長男と里帰り先の宮崎県の実家にいました。突然テレビの画面が切り替わり、東日本で大きな地震があったこと、沿岸地域を信じられない津波が襲っていることを知りました。
産後の慌ただしさのなか、避難所の様子をテレビで見る度に、この中にいる私の様な産後のお母さんは、この環境で、この寒さの中、一体どうやって子育てしているのだろう?授乳をする場所は?お風呂に入れない赤ちゃんは?
…同じ母として、そんな事を思いながら過ごしていたのを覚えています。
長男を連れて、当時住んでいた栃木県北部に帰ってからは、ホットスポットが点在する地域で子育てをすることに、葛藤がありました。
美味しい地元産の野菜、一見綺麗な川。
目に見えない放射能に対してどの程度気を使えば良いのか悩み、子供を抱いて勉強会に参加したりもしました。
当たり前にあった物、会えていた人、住んでいた場所を‘突然失う’という事が、現実に起こり得るのだと実感したあの日。震災は、離れた場所にいた私にとっても、自分の生き方や家族のあり方について考えさせられる、大きな出来事でした。
縁があって岩手に引っ越してきて、サロンへの参加をきっかけにまんまるの活動に携わる様になって、初めて被災されたママの声を聞きました。あの日の母子に何があったのか…話を聞き、追体験するなかで、震災は、今なお岩手のお母さん達の生活や子育てにも、多くの影響を及ぼしているのだと知りました。
5年という月日のなかで、生活に変化のあった方も、たくさんいらっしゃるかと思います。
沿岸・内陸、どこに生活拠点があっても、まんまるのサロンやヨガに来れば、あの時寄り添ってくれた、あの人に会える。妊娠・出産・子育てでしんどくなったとき、心や体をほぐしながら、ちょっと肩の荷を降ろせる。まんまるが、岩手のお母さん達にとって、そんな‘心のふるさと’の様な存在であり続けられることを、願っています。

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